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温井氏ゆかりの集落としては、鳳至川上流約7kmの別所谷町があり、前述の別所谷八幡神社の他に、城跡として天堂城跡がある。その位置は、輪島、門前、穴水の三方に通ずる旧道の要衝の地に当たる。日常の生活本拠は輪島港の近くにあったが、その占拠地を守るための山城であったと見られている。
戦国期の山城跡としては奥能登で最大を誇り、1957年(昭和32年)輪島市指定の史跡となった。城跡は、犬伏山(標高333m)の中腹部を中心に、屋敷跡や石垣跡が多数残されている。地元では殿様屋敷や兵庫屋敷と呼ばれる地域で、遺構は東西500m、南北400mの範囲に及び、地形が盆地で集落の入り口を示す木戸跡が残されている。1455年(康正元年)、温井備中守俊宗が築城したと伝えられる。
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