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毎月四の日、九の日の四九の市は、河井・鳳至両町の係争文書によれば、1705年(宝永2年)にはすでに開かれていたことが知られる。市商人の出所はひろく、宇出津からも魚を売りに来ていたらしい。市の場所としては、河井町は現在と同じ本町にあったが、鳳至町では住吉神社前に開かれ、市の神もそこに置かれていた、市の神は「市姫様」と呼ばれ、その後神社境内に移されたが、ご神体は素麺製造用の大石臼である。ここにも輪島素麺の往年の盛況をしのばせている。
【輪島大祭とお斎市】
古くから重蔵、住吉、輪島崎の三社祭礼が盛大に行われており、現在は8月の輪島大祭として受け継がれている。この時に開かれるのがお斎市(お祭市とも書く)である。これについても、古くから河井・鳳至両町の係争があり、1705年(宝永2年)には、7月24・25日は河井町、26・27日は鳳至町、28日は勝手次第と決められたという。このお斎市も各地から大勢の商人が入り込んでにぎわった。
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