輪島学
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輪島の郷土食/冬編のお刺身の写真 輪島の郷土食
輪島の郷土食/冬編
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■輪島の郷土食/冬編 平成19年2月9日 18:30pm〜 まだら館にて

 例会は、平成19年2月9日(金)夕方6時30分より、輪島の海の幸の郷土料理で知られる「まだら館」にて開催された。店内には店主が集めた民芸品が多く飾られており、参加者は、来賓をはじめ会員、さらに一般からの参加者もあり、和気あいあいの雰囲気であった。

 はじめに多川代表の開会のあいさつがあって開始された。
「昨年から輪島学をテーマに足元を見直そう、ということになった。とりあえず食から始めようということで、昨年は秋のバージョンをやり、今回は続けて冬のバージョンである。輪島で昔から食べられていた海藻鍋を取り上げた。」

【海藻鍋】
ギンバサ・ツルモ・カジメ・カズガモ・アオサ・イワノリ(ボタノリ)・ワカメの7種類ホタテと海老
輪島の郷土食/冬編・海草鍋
 「海藻鍋」はかす汁仕立てで、その食べ方はいわゆる「しゃぶしゃぶ料理」と同様である。皿に盛られた海藻を箸でつまんで、あらかじめ煮立てたなべに短時間入れ、直ちに掬って口に運べばよい。たちまち口の中に海藻の香りと食感が拡がり、堪能できる。今回は7種類の海藻の食べ比べができるという趣向にもなっていた。

●7種の海藻の食味

・ギンバサ;しこしことした歯ごたえがある。

・ツルモ;やや黄色味を帯びた色をしている。しこしこ感だけではなく、香りもある。

・カジメ;はじめ黒褐色の色だが、なべに入れるとたちまち青緑色に変色するのが、印象に残る。昆布特有のヌメリ感がある。

・カスカモ;カジメと同様に、茶色から青緑色に変色する。ワカメに近い味。しこしこ感あり、ヌメリ感はない。

・アオサ;はじめから青い色をしている。いわゆる海苔の香りがして、少し苦味がある。

・岩ノリ;少し歯ごたえがある。ボタノリは岩ノリを乾燥させたもののこと。

・ワカメ;これも味噌汁に浸けるとたちまち黒い色から青緑色に変化する。口に入れるとヌメリ感がある。

●海藻は新鮮な「海の野菜」

 冬は海藻採りの季節であるが、海藻を食べるには新鮮でなくてならない。今日採ってきたものは明日には死んでしまうので、その日のうちに全部食べてしまうことが大切である。つまり、採ってきてすぐ食べる、というのが原則である。

 海藻を楽しむには輪島に来てもらう必要がある。他所では食べられないのではないか。冷凍技術が発達したとは言え、輪島の冬の雰囲気の中で食べるのが格別であろう。今年は暖冬で、7種類もそろえるのはかなり苦労だった様子である。

 海藻は、もともと歯ごたえや香りを楽しむものとされてきたが、最近では、ミネラルの成分が注目され、「海の野菜」とも言われる。海藻には食物繊維が多く含まれ、体調を整える作用がある。


【つきだし/ぶりなます・ふきのとう和え】
 
冬を代表する魚は、なんといっても「ぶり」である。
「ぶりなます」は、冬のかかせない、お酒のお供である。脂の乗った身とお酢が程よく調和して美味しい。
ふきのとうも時節がある。少し苦味があるが、それがお酒の味にうまく合うのである。
輪島の郷土食/冬編・ぶりなますとふきのとう和え

【刺身】
ミズダコ・タラの子づけ・甘エビ・ぶり
輪島の郷土食/冬編・刺身
 輪島は魚の宝庫である。その魚のおいしさが、輪島で生きる人々の幸せの重要なモチベーションになっていると言えるが、特に冬は脂がのっておいしい。今回は、その冬の代表的な食材ばかりである。

 特に、ぶりの刺身は、「もみじおろし」で食べるのが最高とされている。もみじおろしは、大根おろしににんじんをおろしたのを少し混ぜて調理される。色合いから「もみじ」という形容詞がつけられたものであろう。


【ぶり大根】
輪島の郷土食/冬編・ぶり大根
 出された「ぶり大根」は2日間に亘って煮込まれており、その色合いもじっくり味が沁みこんでいることを十分に予想させるものであった。冬の脂ののったぶりの味が大根の淡白さと調和して、それぞれが一層おいしくなっている。併せ技の妙味と言えよう。

【ゲンゲの吸い物】
輪島の郷土食/冬編・ゲンゲの吸い物
 ゲンゲは、北陸で獲れるたいへんめずらしい魚であり、深海魚である。輪島では、別名「クニャラ」とも言うが、恐らくその形態から言ったものだろう。魚体がくねくねしていて、体表を透明なゼラチンで包んでいる。一見してやや気味の悪さを感ずるという人もいる。しかし、これが吸い物にすると抜群においしいのだ。輪島には、有名な魚醤の「いしり」があり、その味にマッチしている。なべに一匹ごと全部入れて、骨ごと食べられる。

【エゴようかん】
輪島の郷土食/冬編・エゴようかん
 エゴノリはテングサ、オゴノリと同じくところてんや寒天の材料になる。その特性を生かして、固めてようかんのようにつくる。しょうゆ、三倍酢、酢味噌などをかけるが、今回はきな粉をまぶして食した。淡白でおいしく、食後のデザートに最適である。お菓子屋さんでは売っていない。料理屋さんで出されるが、一般の家庭でもおやつとしてつくられる、輪島特有の一品と言える。

【参加者の声から】

参加者からのいくつかの声を紹介しておこう。

・輪島には本物がある。

・輪島の郷土料理を実は地元の人たち自身が案外知らないのではないか。こういう機会にひろく参加してもらって再認識してもらうのがよい。

・観光客に輪島に来て食べてもらうとよい。

・料理の参考にしたいと思って参加した。